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  • 執筆者の写真TJ Osuga

鋸南町は、サンフランシスコで言うとナパバレー!?

「えっ、何言ってんの?」と思われる方もいるかもしれません。

ナパバレーと言ったら、米国サンフランシスコの北部に位置し、カルフォルニアワインの一大生産地として知られる、有名ワイナリーや葡萄畑が広がる町です。1年を通して多くの観光客がワインテイスティングに訪れ、観光の名物としてアンティーク列車を使用した食堂車のワイントレインが葡萄畑をゆったりと走り抜ける。のどかで、くつろいだ雰囲気でありながら、古城や改装された小屋がワイナリーの建物になっていて、ロマンチック感もあるエリアです。

鋸南町は、千葉県の南、房総半島の西南、安房地域にあり、風光明媚な海岸線を有し、また海岸より山間部にかけては豊かな山系を有し、そのなかでも北部には標高 329m の鋸山があり、海、山ともに自然に恵まれた古くかある町です。

一見、鋸南とナパは雰囲気も環境も全く違うように思えます。

しかし、サンフランシスコとナパバレー、東京と鋸南町という位置関係を観光客の観点で、かつ、少し俯瞰した視点で考えてみると、いくつか似ている点があることに気づきました。


1)サンフランシスコは東京と同様のベイエリア都市(湾岸都市)であり、湾岸に沿って幾つかの町で構成されています。サンフランシスコ、オークランド、サンホセなど。

2)サンフランシスコ(ダウンタウン)とナパバレーの距離感は、東京都市部と鋸南町の距離感と似ています。両方とも車での移動が主な移動手段になり、移動時間は1時間から1時間半程度の範囲内です。

3)町の雰囲気が対照的なところも。サンフランシスコのダウンタウンは近代的な高層ビルも含めて建物がびっちりと立ち並び、路上にはたくさんの人がいて、忙しく、賑わっている雰囲気です。一方、ナパは見渡す限り葡萄畑で、のどかな田舎の雰囲気。路上を歩いているという人はいなく、どこに行くにも、車で行くような場所です。これは、東京都心部と鋸南町を見ても同様に、対照的な雰囲気の街であることが言えます。


そもそも、今回の宿泊施設の開発・経営におけるプロジェクト構想は、南房総や館山地域を楽しむ宿泊施設を開発するというわけではなく、南房総や館山地域に加えて、東京の都心部、千葉内房、神奈川の横浜や三浦までも含めた東京湾エリア全域観光の滞在拠点となる宿泊施設を作りたいと考えています。


そして、対象顧客を訪日外国人としています。


私のような、地元(東京近郊)の人からしたら、南房総や館山地域に行き、あの辺りのグルメやアトラクションを楽しみ、宿では、自然を感じながらゆったりと過ごしたい。そんな要望であれば、鋸南町に宿泊するのはアリですが、都心や横浜にも行くなら、なんで鋸南町を滞在拠点におくの?という感覚を持つでしょう。おそらく、千葉→東京→神奈川のそれぞれのエリアに移動して、そのエリア内の宿泊施設に泊まるというのが一般的なのかもしれません。


しかし、対象を外国人としてみると、「東京」という都市名は知られていますが、千葉、神奈川はあまり知られていません。実際、多くの外国人が近年「東京」に観光で来て、富士山や鎌倉まで足をのばして「東京」観光をしています。つまり、観光客からしてみたら、「東京」というエリアは、実質的移動時間が定義づけているということわかります。


このことは、確かに、他の観光都市をみてもうなづけます。例えば、我々、日本人に人気のあるハワイ(オアフ島)。ホノルルのワイキキには多くのホテルがあり、そこを滞在拠点として利用する人は多いですが、行動範囲としては、ワイキキから車で1時間から1時間半程かかるノースショアエリアにあるハレイワやタートルベイまで足をのばす方も多くいます。


「東京」に話を戻すと、つまり、観光客からすれば、1時間から1時間半程度の移動範囲エリアは「東京」と考えられる。とにかく大事なことは「実質的移動時間」であるということです。この「実質的移動時間」とは、公共交通手段(電車やバス)の場合、駅やバス停までの徒歩時間や、実際に電車やバスが来るまでの待ち時間を含めたトータルな移動時間のこと。車やバスであれば渋滞が起こりやすい道を利用しなければならないのか、交通渋滞の時間帯はかなり頻繁にあるのか、渋滞に巻き込まれた場合、その渋滞をぬける時間はどのくらいかということも考慮した時間のことです。


鋸南町は、先に述べた通り、東京の都心部からの実質的移動時間が1時間半以内で、かつ、1時間半の実質的移動時間でカバーできる範囲に、北総湾岸エリア、内房、三浦、横浜など、東京湾全域に点在する観光スポットをおさめることができます。以下は、都心エリア(東京駅周辺)を滞在拠点とした場合と、鋸南町を滞在拠点とした場合の、東京湾エリアの観光スポットへの実質的移動時間を比較した表です。

*上記「実質的移動時間時間」はOSUGA & PARTNERS独自調査によるものです。

この表が示す通り、観光客にとって鋸南町を滞在拠点にした方が行動範囲を広げられ、1時間半の移動時間範囲内で東京湾全域に点在する観光スポットを訪問対象にすることが可能になります。


ちなみに、移動手段が東京駅周辺を滞在拠点にした場合は、「公共交通機関」(主に電車)で、鋸南町を滞在拠点にした場合は、「車」の比較になっており、Apple-to-Appleの比較になっていないと思われる方もいるかもしれませんが、今回は「実質的」、現実的な比較をしたかったのでこのようにしました。実際、都心部は交通量も多く、駐車場や道幅も狭く、都会の運転に慣れていない方にとって、運転はかなりのストレスで、危険にもなります。それに加えて、都心部は駐車料金がかかります。例えば、東京駅直結に位置するシャングリラホテルの場合、宿泊客であっても3000円/泊がかかり、経済的な理由からも、都心部を滞在拠点とされる場合で車をメインの移動手段にする方はあまり多くないと考えました。


いかがでしょうか。

もちろん、東京都心部といってもかなり広範囲になるので、「東京」観光=東京の都心部の町(東京、新宿、渋谷、池袋、上野、秋葉原、浅草など)をたくさん訪れたいという観光客であれば、都心部に位置する宿泊施設を滞在拠点にした方が良いでしょう。しかし、もう少し広いエリアの「東京」や、都心部とは異なる「東京」を見てみたいという観光客にとっては、鋸南町の宿泊施設を滞在拠点にするという考え方もできるのではないかということです。少なくても、そんな選択肢があってもよいのではないでしょうか。

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