MORIKAZE の周りに沢山生えている木があります。葉は厚く、ドングリもなります。枯れた葉やどんぐりは、敷地内の芝やアプローチにバラバラ落ちてきて、少し鬱陶しい木です。幹はそんなに太くないのに、かなり高くまで伸びてしまった木も多く、枝打ちや剪定は、もはや自分自身ではできない状態です。
そんな木々が今回の台風(9月の15号、10月の19号)でかなり折れてしまいました。写真のように結構太い幹の部分から折れた木もありました。
そもそも何の木なのかわからなかったのですが、MORIKAZEを通して知り合った方々からのSNS投稿等を拝見していて、どうやら「マテバシイ(房州方言:トウジイ)」という樹木である事がわかりました。
調べてみると、本来は、病害虫にも強く街路樹や公園などにも使用される丈夫な樹木で、葉も厚いので防風、防火にも役に立ち、果実(ドングリ)は食用にもなるとのこと。
超実用的な良い木じゃん!
ということなのですが、ちょっと違うのかなぁとも思いました。なぜなら、MORIKAZE の周りの木は、幹はあまり太くなく、そのわりには高くまで伸びた、ヒョロっとした印象の木が多いからです。そして、今回の台風でかなり折れてしまい、防風に役に立つほど丈夫な木とは思えなかったからです。もちろん、今回の台風の威力が凄過ぎたということなのかもしれませんが、イマイチしっくりきてませんでした。
本来、丈夫な樹木でありながら、どうしてMORIKAZEの周りの木々は折れてしまったのか?
今回の台風では、MORIKAZEの周りだけでなく、房総広域にわたって多くの木々が折れてしまいました。そして、その原因は、今回の台風の威力に加えて「森の手入れ」をしていなかったことも、原因になっていると言われています。
枝打ちや間引きをしない木は、根が浅く、行き場を失い上へ上へと伸びてしまうようで、まさに、MORIKAZE の周りの木々はこれにあたるようです。
健全な森を作るには適度な人の介入が必要とのこと。
気候変動や地球温暖化等の問題に関して、メディアでは森林伐採や砂漠化について取り上げられていることを目にする機会が多いので「木を切ることは悪いこと」と思ってましたが、そうではなく、「バランス」が大事なんですね。
昔は、暮らしに必要な材や燃料は、森の木を切って使っていました。その結果、森の木々にはバランスよく日があたり、ツルに覆われることなく、元気に育っていました。つまり、森は常にバランスよく手入れをされた状態になっていました。
しかし、今の森は、人の手が入らず荒れているところが増えているようです。森の木々が枯れたり倒れたりしてしまうと、土砂崩れなどの災害が起こりやすくなり森が持っている様々な機能が働かなくなってしまいます。
実際、今回の台風で、大きな被害は出なかった様子ですが、鋸南町内一部で土砂崩れが起きているところを目にしました。一見、豊かに見えていたMORIKAZEの周りの森も荒れているのかもしれません。
これは大きな問題です。
町の人口は高齢化が進み、地元住民のなかにいらっしゃった「森のプロ」の数も減ってきていると予想ができますし、町の人口自体が減少しているところから行政側の財源も減少しているでしょう。そんな中で、森の手入れをしていくことは今後ますます難しいよう思います。
しかし、そんな中、自分なりに出来ることを見出して活動されている方がいらっしゃいます。
MORIKAZEの看板製作の時に知り合った、ZUKOUSHITU(https://zukoushitu.com/) 代表の戸田 肇さん。
戸田さんは、南房総地域のマテバシイや千葉県山武地域の山武杉など、地元の木を使った製品の開発も積極的されている方です。
問題に対して、出来ることを考え、行動に移されているのって素晴らしいですよね。地元の木を使っての商品開発、木の有効活用という意味でも素晴らしい取組みだと思い、綴らせて頂きました。
私も、今後、何らかのかたちで「森の手入れ」に貢献、森を守る活動をしている人を応援したいと思っています。
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