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執筆者の写真TJ Osuga

妄想から構想へ

更新日:2019年2月13日

「モノが溢れている」と言われている現代。単なる流行りの移り変わりで片付けるのではなく、見方を変え、本質的な価値をとらえて、進化を見出す。昔のモノだったり、古いモノかもしれないけど、良いモノってある。そこに何らかのかたちで今の時代に求められる価値を創ることできたら、未来への継承と繁栄に貢献できるのではないか。漠然だが、そんな思いがこの数年、私の中にありました。

先月(2018年2月)まで、グーグルでの丸13年間のキャリアを含め、長年、アメリカのIT企業に勤めてきて、デジタルテクノロジーを日本企業に提案する仕事をしてきました。「デジタル時代における企業の変化対応力の強化をどのようにおこなっていくか?」そんなテーマについて様々な企業の方々とお話しをさせて頂く機会も多くもちました。企業には歴史があります。創業者の思いや積み上げてきたものがあります。そして、それら「歴史」や「思い」は常に興味深く、魅力的であり、とても勉強になります。企業においての「IT」とか「デジタル」というと「合理化」や「スピード」につながるイメージをもつ方が多いでしょう。確かに、企業にデジタルテクノロジーを導入する際、過去のやり方を捨てるということにつながるケースもあります。しかし、企業がもつ歴史や積み上げてきたものとは、その企業の本質的な価値であり、その本質的価値を捉えて進化を見出すということがとても大事であると私は常に思ってきました。


ここ数年、米国と日本を行き来して思うこととして、日本にはまだまだ沢山世界に知られていないものがあるということ。例えば、日本の食文化は世界に誇れると言われていますが、未だ、米国にある日本食レストランというと寿司、照焼きチキン、鉄板焼きという感じである。言語、文化、規制などの壁からそう簡単ではないかもしれませんが、私が20年前に出張で行った時とあまり変わり映えがしない。一方、この数年で、私が通勤していた六本木の周辺には米国資本のレストランがどんどん進出しているように思う。例えば、高級ステーキレストランが軒並みオープンしている。ウルフギャング、ベンジャミン、BLT、エンパイアといった、一人15000円以上するステーキを提供するレストランがどんどんオープンした。日本食は好きという人は海外の方にも多い。実際、米国本社で働く同僚なんかと話をすると「I Lo〜ve Japanese food」という者は多かったし、それが故に、日本に出張したいという者も多かった。しかし、その本社がある米国側では、六本木で海外資本のステーキレストランが軒並みオープンしたような、日本食に関する盛り上がりは、この10年間を見てもあまりないように思う。


日本には誇れるものが沢山ある。だから、せめて日本に来る外国人の方だけでも滞在中に色々な経験をしてもらい。「え!知らなかった…」「すごい!」や「うまい!」といった経験をしてもらいたい。そして、そんなエクスペリエンスを求めている方って結構いるような気がしている。訪日外国人を対象にした「宿泊、体験サービス、商品販売する観光サービス業」とでもいうのか、こんな言い方をすると、色々なことが含まれてきてわからなくなるので、まずはのアイデアとして、民泊制度を使って、真剣に民泊をやってみる。中古の空き家を取得し、それにリノベーションをかけて、バケーション・レンタルとして提供する宿泊サービスを開始してみる。そして、宿泊をする方々に対して日本の「すごい!」や「うまい!」を体験してもらう企画やビジネスモデルを確立できたら、少しは面白いことになるかもしれない。


こんなことを考えていたら、なんだか、ワクワクしてきた :-) 

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